Beck - Colors

Modern Guilt以降のベックは本当に神がかっていて、
人間を超越した何かになってしまったんじゃないかと思うぐらいだが、
今回もすごい出来だ。

このアルバムはいつから作っていたのだろうか。
常に新譜を出すと言っていて、大体出ないので、
もう公式の情報を真面目に追ってないのだけど、
Morning Phaseのちょっと前ぐらいにやっていた、
Defriendedとかのときのアルバムがようやく出たのだろうか。


Beck - Defriended

あるいは、あれはボツになって、これは全く新しい作品なのだろうか。

5年ぐらい作っていたと言われても納得できるくらい、音が完璧だ。
なんというか、2017年的なマスタリングというか、
本来この手の音は苦手なのだけど、聴けてしまう。
こんなに、死ぬぐらいポップな曲調なのに、
ぎりぎりのところで胸焼けせずに聴いていられる。
のは、単純に私がベックファンだからかもしれないが。

これだけ質の良いポップスをやられてしまうと、
もう他のポップスが必要なくなってしまうのではないか。
困ったものだ。
そこまで思うのは、単純に私がベックファンだからかもしれないが。

Sign Magazineがインタビューを載せてくれている。

thesignmagazine.com

ベックって、こんなに自分のやってることをしっかり言葉にする人だっただろうか。
でも、このアルバムはそういうモードだ。曖昧にしていないというか。

「でも、このレコードに関しては、とにかくより野心的になろうと自分をプッシュしたんだよ。例えば、以前は曲を作っては仕上げる前に、『この作りかけの感じがクールじゃん』ってなることがあったんだよ。中途半端なのがいいってね」
「でも、今はアイデアがあったら、ちゃんと最後まで仕上げて、できるだけベストなものにしようとしてるんだ。そのせいで仕事量はずっと増えたし、自律が必要になってきた。実際、その方がいい曲になるのかどうかさえ、僕にはわかんないんだけど」

まさに、「ちゃんと最後まで仕上げ」たアルバムだと思う。
ベックと、グレッグ・カースティンという、本当に音楽大好きな人たちが、
本気で、全力でポップスを作ったらこうなる、という作品だ。
オルタナティブの旗手として、
とっ散らかった音楽をやりながらこれだけ売れてきたベックだからこそ、
このポップさに説得力がある。

特に、「Dear Life」が好きだ。PVを貼っておく。

youtu.be

これぐらいのポップスが10曲並んでいて、胸焼けすることなく聴ける。
本当に素晴らしいアルバムだと思う。